SE不要論という本自体が不要-SIerにいるSEが本気出して反論してみる

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この内容は僕の仕事に少しでも関連した内容なので、それなりに過激なことを書いています。もしかしたら見た後につまらない気持ちになるかもしれません。そうなってしまったらすいません。また、そうなりたくない方は見ないでください。

近くの有隣堂がこの本を大きく取り扱っていて、その成果からかIT関連書の売り上げ2位になっていたけど、時間の無駄になるから読まなくて良い。それに有隣堂も大きく取り扱わないでほしい。本当に読む時間の無駄。

ということで本題。SEなのでどんな内容なんだろうと期待して読んだけど、買わなくても良かった本だった。面白くない。

それは自分が批判されたからという反発でのコメントではなく、納得することが少ない。新しい見解がほとんどないのがこの本の特徴。
SIerのビジネスの問題点、工数という時間単価で計算されるSEの給料など僕が大学院に在籍していたころ(2011年)から語られている内容で、目新しさがない。

SE不要論とまで言い切っているので、「技術の発展によって自ら首を絞めているSEが自分たちの技術によって職がなくなる。これからSEは新しいことを始める必要がありこういう風に変わっていこう」というような内容を期待してワクワクしていたのだが、そのような記載は少ない。

個人的には今のIT業界のビジネスモデルには疑問を感じているし、SIerというシステム開発だけを請け負う会社は日本独自のもので、外国では内製でシステム開発を行っていると言われているので、日本のIT業界のビジネスが今後どうなるのか・またそれに伴ってSEという職が変わるのかを少なくとも意識はしている。

だから期待して買って読んだのに、全くの期待はずれだった。技術的なことやもっと具体的な事象・未来の予想で納得させられるのかと思っていたが、筆者はSE経験のない取材記者。技術も現場も分かっていない人がインタビューだけで書いた読む価値のない本。

読んでて納得できなかった部分は以下の部分。

 そもそも、クライアントから見た他社SE常駐によるシステム保持には、どんなメリットがあってこれまで続いてきたのだろうか。
 一つは言うまでもなく自社の社員増減に大きな影響をもたらさないことが挙げられる。そのまま人件費にはね返ってくる部分を阻止できる。(P61)

この後に派遣元のデメリットが書いてあるのかと思ったが、そのようなことは書いてなかったので納得ができなかった。

確かに常駐先の人件費は抑えられるが、派遣元の社員の教育はどうするのか?派遣元の会社は研修費用をまかなえるほどの利益を常駐だけで稼げるのか。それとも、常駐費+システム構築・運用費などを別にもらっているのだろうか。

前のページで「過去、数十年にわたってSEを育ててこなかった業界のツケが、肝心な時に回ってくる(P38)」とSEを育てなかったことについて批判しているのにも関わらず、教育機会が自社開発型の会社よりも圧倒的に少ない常駐型ビジネスの会社を取り上げ、インタビューして本に書いている著者の意図が理解できない。

個人的な意見だが、常駐だけではSEは育たない。あくまでも経験は得られるが体系的な知識として身につけるための教育を受けない限り、この本で定義している「従来型SE」にしかなれない。そのまま続けても「未来型SE」にはほぼ確実になれないだろう。

ちなみに僕は常駐を過去2回4年以上経験しているので、社外常駐による「教育機会の損失」や「帰属意識の低下」を身をもって経験している。

特に「教育機会の損失」は、理解のある常駐先で仕事をしていない限り問題になりやすい。なぜなら常駐先は毎月定額で常駐している人に対して費用を払っているので、自社の教育で休まれるのは困るし、自社の教育研修での休暇は調整がし辛いからだ。

また、常駐先での業務は上司が把握し辛く、今後の教育方針・計画もたて辛いだろう。そういった方針は現在の働き方や技術力・期待することに応じて今後会社が求めるものを計画するはずだから。

帰属意識の低下についてはそのままなの意味なので割愛する。

なおこの本の特徴として、「こうしていこう」ではなく、「こういう人はダメだ」という記述が多い。

例えば以下である。

「従来型SE」から脱却する9つの生き残り策
(1)新技術には、いち早く対応すべき
 エンジニアであるならばあたりまえの話じゃないか、と笑うのは、あまりにSEを知らなさ過ぎるかもしれない。SEであっても自分が好きで得意なジャンルにしか興味を示さなさい者が多いからこんなことを言わなければならないのである。
(中略)
クラウドコンピューティングの時代が到来し、多くの人が簡単に新技術を経験できるようになったはずだ。もしそれでも勉強しようとしないのなら、それはすでにエンジニアとして失格の烙印を押されていることと肝に銘じておくべきだろう。(P99)

そもそも論になってしまうのだが、この本の対象者は誰なのか。ここに書いてある通りの「ダメな人・危機感がない人」向けに書いているのか。そう思えるぐらい「ダメな人へのメッセージ」が多い。反発させて購入させる意図なのかと考えてしまう。

対象者はよく考えた方が良いのでは?と思ってしまった。もし仮にターゲットがダメな人だと考えた場合、そもそも本屋に行くのか。Amazonでたまたま見かけたとしても買うのか。もし仮に買ったとして、このような内容を読んで「そうか、このままではまずいな。変わらないと」と思うのか。

答えは No だと思う。だから、ダメな人批判は不要だった。購読対象者は「危機を感じている人」だろうし、そういう人たちは「どう変わっていけば良いのか」を求めているのであって、このような内容は求めていない。

自分のライターという職と、対象者を良く考えて書いてほしかったと感じた。批判するような内容は書かなくてもライターでIT業界でのコネがあるならもっと有益な情報は得られただろうし、書けたはず。

一応リンクは貼っておきますが、買わなくても良いです。これを買って読むなら他の本を買われることを僕は強くお勧めします。

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